「子どものころ、映画を観ることで
自分の世界の物語を作って遊んだ体験が僕を救った」
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
ジョン・M・チュウ監督インタビュー
世界各国で人気のおもちゃの世界観を映画化した『G.I.ジョー』の続編『G.I.ジョー バック2リベンジ』がTOHOシネマズ梅田ほかにて上映中。チャニング・テイタムやイ・ビョンホン、レイ・パークなど主要キャストはそのままに、ブルース・ウィリスやドウェイン・ジョンソン演じる新キャラが加わってパワーアップ。本作で、監督を務めたジョン・M・チュウに話を訊いた。
――「G.I.ジョー」との出会いは?
「子供のころから「G.I.ジョー」のおもちゃやアニメ、コミックが大好きで親しんで育ちました。「G.I.ジョー」というのは、60年代から伝統として続きながらも常に新しく変わり続け、アメリカのみならずヨーロッパでは「アクションマン」と違う名前で呼ばれて展開されたりしています。今回の映画で僕が目標としたのは、子どものころに見た「G.I.ジョー」の世界観をみなさんに披露したいということでした。アドベンチャーの中に、軍事的な要素や、007のようなスパイ的な要素、カウボーイやニンジャなどいろいろなテイストが混ざり合って、ユニークで独特の組み合わせがある作品なのです」
――では、オファーがあったときは、すごく嬉しかったでしょうね。
「とても興奮しました! しかし、今回のようなビッグスターと一緒に仕事をするのは初めてなので、同時に恐怖も感じました。だけど自分には失うものはないので(笑)、大胆になれると思うことで力が沸きました」
――やはり作品としては男性向けな要素が多いかと思いますが、今回女性の目線は意識されましたか?
「特に日本はイ・ビョンホンさんファンの女性がたいへん多いので、劇場がほぼ全員女性だったのには驚きました。ほかの国では圧倒的に男性ファンで占拠されていますので(笑)。しかも、悪役を演じている彼の顔がハートに切り抜かれたものを持っていたり(笑)! ただ僕自身、マッチョなイメージの男性向けの映画も好きですが、デートでも家族でも友達同士でも楽しめる映画が好きで、今回もそのような気持ちで作ったつもりです」
――本作を手がける前は、ダンスや音楽の映画を数多く手がけられていたとのことですが、その経験が今回活かされた部分はありますか?
「答えはイエス&ノーです。いろいろな要素を指揮する上で大事なことを見失わないように気をつけなくてはいけないという意味ではイエス。今回、いろいろな乗り物や爆発物を扱ったり大変でしたが、物語を伝えることを見失わないという意味では共通していて、似ている部分かもしれません。しかし、アクションはダンスとまったく違います。今回は幸いながら偉大なる教師とも言うべきブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホンなど、この分野で経験豊かな方々が参加してくださったので、彼らから多くのことを教わり、うまくガイドしていただきありがたかったです」
――アクションと言えば、ヒマラヤでのシーンが大迫力でしたがどのように撮影をされたんですか?
「あのシーンは、約10分間台詞がないですし、興奮よりも実は不安が多かったです。カナダで撮影したところもあれば、グリーンバックやセットで撮影したところもあり、それらをうまく活かしていける確信がその時点ではなく、毎日緊張しながら取り組んで撮影していました。しかし、このシーンをうまく作れれば、今まで誰も体感したことのないアトラクション的なものが出来上がると思い続けて挑みました。気持ちとしては飛行機から飛び降りて着地するまでにパラシュートを組み立てていった感じに似ています(笑)」
――イ・ビョンホン演じるストームシャドーというキャラクターについて少し教えてください。
「ストームシャドーはとても複雑なキャラクターです。2作目では、ストームシャドーが抱えている怒りや過去への苦悩など1作目とは違った彼の内面を出したくて、唯一、内面を掘下げて描いている役です。そして、ニンジャではありますが日本のキャラクターという位置づけではないんです。日本の道場で訓練を受けているんですが、この道場自体が少し奇妙なところで、道場の師匠は黒人の方であったり、ストームシャドーの刀には韓国語が刻まれていたり混ざり合ったもので、ニンジャではありますが純粋な忍者ではありません。「G.I.ジョー」が、国際色豊かなものであると同時に、中に登場するニンジャ部隊も国際色豊かなものなんです。自分の居場所に合わなかった人たちやちょっと個性的な方たちが集まってオールスターチームになっているような感じなんです。なので、いろいろな人たちがいるのです」
――では、最後にメッセージを。
「僕が子供のころ、映画を観て、その関連のおもちゃを買って家で遊んで自分の世界の物語を作って遊びました。僕はシャイな子だったので自分自身では出来ないようなことを楽しく思い描くことが出来た体験そのものが自分の人生の中でもとても救われた気がします。ですので、僕の作品を通してどこかの子どもが触発されたり影響を受けたりしてくれたら嬉しいと思います」
★『G.I.ジョー バック2リベンジ』舞台挨拶レポート★

イ・ビョンホン&ジョン・M・チュウ監督が来日!
『G.I.ジョー バック2リベンジ』舞台挨拶レポート
イ・ビョンホンの割れた腹筋を観てほしい! シックスパックが3D効果で3倍の18パックに!?
現在、TOHOシネマズ梅田ほかにて大ヒット上映中の『G.I.ジョー バック2リベンジ』。公開前には、ジョン・M・チュウ監督と日本でも大人気の韓流スター、イ・ビョンホンが来日しプレミア上映が行われた。しかし、このチケットはプレリザーブから応募者が殺到、一般発売日も即完売となり、まさにプレミアな上映となった。
当日のイ・ビョンホンとジョン・M・チュウ監督のスケジュールは分刻み。昼過ぎに名古屋での舞台挨拶を終え、すぐに大阪入り。大阪城天守閣前にて約1時間半にもおよぶファンとの交流を行い、その後大急ぎでTOHOシネマズ梅田へ移動。さすがに疲れが出てもおかしくない状況ながら、彼らの登場に巻き起こったファンからの大声援を受けて「みなさんの声援で疲れも吹き飛び、エネルギーが充電できた」とイ・ビョンホン。和やかなムードで舞台挨拶が開始された。
今まではダンスを題材にした映画『ステップ・アップ』のシリーズや人気アイドル、ジャスティン・ビーバーのコンサートを追ったドキュメンタリーなどを手がけてきたジョン・M・チュウ監督。今回、超大作の監督に抜擢された時のエピソードとして「母が喜んでくれると思って報告したが、ただただイ・ビョンホンに会えるということに大興奮だった」と語り、会場の笑いを誘った。また、日本へは何度も来日経験のあるイ・ビョンホンは日本の印象として「日本のインテリアはすごく綺麗。どこに行ってもインテリアをまず注目して見ます」とコメント。また彼の新たな一面に触れることが出来てファンには嬉しい情報だろう。そして映画の見どころを聞かれた監督は、なんと「イ・ビョンホンの体」と答え、「鍛え上げられた美しく割れた腹筋、シックスパックが3Dで3倍の18パックになってると思うよ」と冗談を交えて本作のアピールをした。
(2013年6月 8日更新)
Check
ジョン・M・チュウ監督●1979年、アメリカ・カリフィルニア州生まれ。カリフォルニア大学映画芸術学部在学中に作った短編がハリウッドで話題となりヒットシリーズの2作目『ステップ・アップ2:ザ・ストリート』〈未〉(08)の監督に大抜擢。好評を得てその後も『ステップ・アップ3』〈未〉(10)、『ステップ・アップ4:レボリューション』〈未〉(12)も手がける。2011年には、3Dドキュメンタリー『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』を監督し、全世界で大ヒットをおさめた。様々なジャンルのダンサーを集め
Movie Data
(C) 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved. Hasbro and its logo, G.I. JOE and all related characters are Trademarks of Hasbro and used with permission. All Rights Reserved.
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
●TOHOシネマズ梅田ほかにて上映中
【公式サイト】
http://www.gi-j.jp/
【ぴあ映画生活特設サイト】
http://gi-j-japan.jp/
★大阪城特設会場にて行われたプレミアイベントレポート
https://kansai.pia.co.jp/news/cinema/2013-06/gi-joe-2.html